この度、第17代洞薬会会長を承りました製鉄記念八幡病院の山澤です。微力ながら洞薬会のために尽力していきたいと思いますのでどうぞ宜しくお願いいたします。会長を承るに際しまして2つの項目を目標として挙げさせていただきます。
一つ目は
病棟薬剤業務実施加算の算定と薬剤管理指導業務を完全実施する施設の拡大です。
去る2012年は私たち薬剤師にとって忘れられない年になりました。6年制の薬剤師が誕生し、病棟薬剤業務実施加算という形で薬剤師の病棟業務が評価されたからです。昨年12月のデータでは病棟薬剤業務実施加算算定施設は全国で16.2%を超えました。しかし、この評価は病院薬剤師が患者の薬物療法の安全性と有効性を高めることができるという国民の期待をうけたものです。その期待に応えるためにも私たちは最大限の仕事をしなければならないと思います。また、薬剤師の病棟配置は更なるチーム医療をすすめるための布石となるものです。全ての施設でさらなる病棟業務の展開を図っていただきたい。
病棟薬剤業務実施加算はとれば終わりではありません。次には国民からの病棟薬剤業務の効果の検証、更なる評価が待ち受けています。現在、算定をとっている病院は病棟薬剤業務が薬物治療の質、安全性の向上に貢献するというエビデンスを提示し、積み重ねていただきたい。
洞薬会では様々な委員会の企画を通して皆様の支援を行っていきたいと思います。
二つ目は
保険薬局薬剤師と病院薬剤師の連携の強化です。
2014年の診療報酬改定で見られるように、現在、超高齢化社会を迎える2025年に向けての医療機能再編が進められています。その中で薬剤師は地域におけるセルフメディケーションや在宅医療の充実といった役割が求められています。一方、洞薬会には100名近い開局薬局の勤務薬剤師の先生方にも参加していただいており、各委員会の委員としても活躍されています。この連携を大事に、地域の患者さんの薬物療法をトータルにサポートできるようにシームレスな情報提供体制作りに力を入れたいと思います。
今、薬剤師の歴史は大きく変わろうとしています。そしてそれは大きなチャンスでもあります。私たち一人一人が薬剤師の職能は何かを考え、実践し、薬剤師の役割を国民に発信していけたらと願います。
皆さんいっしょに頑張っていきましょう。どうぞご支援、協力を宜しくお願いいたします。
平成26年4月
洞薬会第17代会長 製鉄記念八幡病院 山澤 理恵子